熱中症予防に最強!麦芽飴と生姜の「ひやしあめ」
そんな時にオススメしたいのが夏の救世主!「ひやしあめ」です。

京都を中心に関西で好まれている夏の定番ドリンク「ひやしあめ」。今日はこの「ひやしあめ」の魅力をたっぷりとお届けします。
飴の歴史は1000年以上
まずはさかのぼり、飴(あめ)の歴史をたどっていくと、1000年以上も前。日本書紀をはじめ、いくつかの古文書にも「阿米(あめ)」という記述があります。当時は水飴のことを指し、漢字の表記からも米を原料にしていたと分かります。つまり平安時代にはすでに飴(=水飴)が存在していたことになります。長い歴史を感じますね。ひやしあめは、発酵文化を伝える飲み物
「ひやしあめ」読んで字のごとく。となると、「冷えた飴」固形の飴菓子を想像される方もいらっしゃるのですが、これは飲み物なんです。昔から京都では、食物の澱粉と大麦の麦芽をあわせて糖化させ、甘味にしていました。こうしてできた甘味が「麦芽飴」。言わば、発酵食品の一つです。そこに生姜(しょうが)の絞り汁を加え、水で割った飲み物が「ひやしあめ」です。
麦芽飴は腸活におすすめ?
昨今では「ひやしあめ」は、からだに良い飲み物としても知られ、健康志向の人からも注目をされている飲み物です。それは原料による効果が最強だからです。
麦芽飴は、自然の作用によって作られているため、ビタミンやミネラルを豊富に含んでおり、麦芽がもつ天然酵素が腸に働きかけます。そのため、消化や吸収にすぐれ「腸活」のサポートを促すのです。腸の健康は美肌へも繋がる。そう思うと毎日飲みたくなりますよね。
また、麦芽飴はまろやかでやさしい甘味が特徴で、お味からも感じ取れるように、白砂糖より低カロリーであることから、カロリーの摂取をを抑えたい人には魅力的な甘味料です。時間を掛けて昔ながらの製法で糖化してつくられる麦芽飴は、まさにスローフードとも言えるでしょう。
ショウガは冷温で効果が違う。その作用を活かした「冷やしあめ」
ひやしあめの原料である生姜(ショウガ)。古くから「生姜は万能薬である。」と言われ、日本では薬味として毎日のように食卓に並んでいるくらいとても身近な存在ですね。
ここでは詳しく説明しませんが、生姜には、血流促進、殺菌作用、抗酸化作用、抗ウィルス、免疫力アップ、鎮痛、消化促進、アレルギー改善、安眠、抗うつ作用、抗がん、など沢山の効果があると言われています。しかしながら、摂取の仕方によっては、効果が変わることをご存知でしょうか?
生の生姜に含まれる「ジンゲロール」は、血の巡りをよくし発汗を促すことで、水分の代謝を調整し、からだの熱を発散します。
一方で、生姜を温めると、ジンゲロールが「ショウガオール」という成分に変わり、からだを温める作用が強くなります。体温を上げることで、免疫力アップになることから、冬の風邪対策で生姜を取り入れられている方も多いのではないでしょうか。
お気づきのとおり、お水で割った夏の「ひやしあめ」、お湯で割った冬の「あめ湯」は、まさに生姜の効果を活かした、日本の四季に順応することができる飲みものなのです。
冷やしあめのレシピはお店それぞれ
最近では「ひやしあめ」をつくっているお店も少なくなってきましたが、お店によってレシピも様々です。ひやしあめの「飴」が、麦芽飴だったり、米飴だったり、透明の水飴でつくるお店もあります。そこに砂糖や蜂蜜、黒糖、香辛料などが追加され、独自の冷やし飴ができるのです。表記も「ひやしあめ」「冷やしあめ」「冷やし飴」と、色々あります。
全く同じ材料が書かれていても、配合によって違う味になります。原材料は一番最初に書かれている材料が一番多く使われていますので、麦芽飴が入っていても砂糖が最初にきている場合は、砂糖の分量の方が多いと言うわけです。生姜も生の生姜なのか、粉末の生姜なのかによって、味も成分も変わります。
最後に
さて、いかがでしたでしょうか?盆地で比較的風が弱く寒暖差の多い京都では、「ひやしあめ」や「あめ湯」は、気候に対応するために大切な飲みものです。また、京都では芸事に従事されている方も多く、喉や体調を整えるためにも、ショウガを使った飲み物や飴を取り入れられている方もいらっしゃいます。
昨今の気候温暖化に伴い、熱中症で倒れられる方も増えてきましたが、暑い夏の日を元気に乗り切るためにも、水分補給をこまめにしながら、いきいきと過ごしたいものです。
6月が終われば、いよいよ京都は1年で一番熱い祇園祭が始まります。1ヶ月に渡り行われるお祭りに向けて、神事にご奉仕される皆さんも、観に来られる皆さんも体調を整えてまいりましょう。
京都にお越しの際はぜひ「ひやしあめ」を飲んでおくれやす。おおきに。おたのもうします。
するがや祇園下里7代目
井上 真由美
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